🗝 業界の裏側
名古屋の『コース5,000円』は
結局いくら払うのか
「コース5,000円」と書いてあるのに、会計は8,000円を超えていた——そんな経験をしたことはないだろうか。名古屋の飲食業界で働く人間として、この「差額の構造」を正直に解剖する。
「コース5,000円」と書いてあるのに、会計は8,000円を超えていた——そんな経験をしたことはないだろうか。誤魔化しでも詐欺でもない。これは飲食業界の「当たり前の構造」だ。名古屋の居酒屋・割烹・バルで実際に起きていることを、業界の内側から整理する。
差額を生む3つの構造
① サービス料(10〜15%)
名古屋の接待向けの店、割烹、ホテルの宴会場ではサービス料が10〜15%加算されるのが標準だ。コース5,000円×2名=10,000円に10%のサービス料がつけば+1,000円。税込みで計算すると11,000円スタート。「お通し禁止」の法律論が話題になる一方、サービス料は業界慣習として広く残っている。
見分け方:メニューに「サービス料別途」「S.C.10%」と記載があれば確定。記載がなくても高単価店(1人5,000円〜)では確認が必要だ。
② お通し(350〜600円)
名古屋の居酒屋の大半はお通しが出る。「断れる」という声もあるが、実際に断れる店は少ない。最初の席につくと同時に出てくる仕組みなので、実質的な着席料と捉えるのが正確だ。2名×500円=1,000円が自動加算される。
業界の本音:お通しは原価が高くない。だが「最初の一品がテーブルに出る」ことで回転率と客席の稼働が上がる。店側にとっては重要な収益の柱だ。
③ ドリンク(飲み放題 vs アラカルト)
ここが最大の差額ポイントだ。コース料金に飲み放題が含まれない場合、アラカルトでドリンクを頼むと1人2,000〜3,000円はあっという間に超える。生ビール1杯650円×3杯=1,950円。日本酒1合900円を2合=1,800円。これだけで1人当たり2,000〜4,000円の追加が発生する。
飲み放題付きコースが同じ5,000円なら「実質的なコスパ」は全く別物だ。コース料金を比較するときは「ドリンクが含まれるか」が最初に確認すべき項目になる。
結論:5,000円コースで払う金額の目安
| 条件 | 1人あたり会計目安 |
|---|---|
| サービス料なし・お通しなし・飲み放題込み | 5,500〜6,000円 |
| お通しあり・アラカルトドリンク2〜3杯 | 7,500〜8,000円 |
| サービス料10%・お通しあり・アラカルトドリンク | 8,500〜9,500円 |
「5,000円と聞いていたのに」という感覚は正しい。ただしこれは店の悪意ではなく、業界構造の問題だ。幹事が事前に「サービス料はつきますか」「お通しはありますか」「ドリンクは飲み放題ですか」と確認するだけで、グループ全員の期待値をコントロールできる。
次の予約の前に、この3点を電話1本で確認してほしい。それだけで会計のサプライズはほぼなくなる。
Inside Perspective — 業界人の目利き
- サービス料10% — 明記している店は誠実。記載がない高単価店は着席前に確認が正解
- お通しは実質「着席料」 — 断れる権利はあるが断れる店は少ない。予算には最初から組み込む
- 飲み放題の有無がコスパの分岐点 — アラカルトドリンクは1人2,000〜3,000円以上が当たり前