🗝 業界の裏側コラム

飲み放題の原価率から見抜く「本当にお得な店」

2026年6月21日 (日) 🗝 業界の裏側 編集部

宴会シーズンに必ず聞かれる『この飲み放題、お得ですか』。直近の宴会需要が戻ったいま、改めて整理したい。答えは原価の構造を知れば見抜ける。飲み放題は店にとって損ではなく、むしろ利益設計の中心——その仕組みを知ると、本当にお得な店が見えてくる。

飲み放題の原価率から見抜く「本当にお得な店」——絞っているメニューの読み方
Photo: NAGOYA BITES 編集部 / Unsplash

まず数字から。飲み放題全体の原価率は20〜25%前後に設定されるのが一般的だ。ドリンク別に見ると、生ビールは1杯あたりの原価が約80円と高め、サワーやハイボールは約60円、焼酎やウイスキーは割り材でボリュームを出せるためさらに低い。店は2時間で1人あたり平均5〜7杯という消費量を見込んで、プラン価格を決めている。

居酒屋全体の原価率は28〜33%程度。ここで重要なのは、ドリンクの高い利益率で料理の原価を補う収益構造になっている点だ。だから『飲み放題=店が損をするサービス』ではない。むしろ飲み放題で客単価を安定させ、料理に原価をかけられる店すらある。

では客側はどう『お得』を見抜くか。ポイントは3つ。第一に銘柄が選べるか。生ビールがプレミアム系まで含むか、ハイボールが角ハイ止まりか。原価の高い飲み物を開放している店は、その分還元している。第二に料理が値段相応か。飲み放題付きコースが3,500円前後でも、料理がチェーン以下なら、ドリンクで稼いで料理で削っている。第三に制限時間と最終注文。ラストオーダーが終了30分前か10分前かで、実質的な杯数が変わる。

結論。銘柄が選べて、料理が値段相応で、ラストオーダーが良心的——この3つが揃う店は、ドリンクで稼ぎすぎていない『本当にお得』な飲み放題だ。価格表の数字だけでなく、構成を読む。これだけで宴会の店選びは大きく外さなくなる。

Inside Perspective — 業界人の目利き

  • 飲み放題の原価率は20〜25%前後。生ビールは原価約80円と高く、サワー・焼酎は割り材で低い
  • 居酒屋はドリンクの利益で料理の原価を補う構造。飲み放題は店の損ではなく利益設計の中心
  • 見抜く3点=銘柄が選べる/料理が値段相応/ラストオーダーが良心的