週次の話題店ダイジェスト

大須で中華とバーガーが同時に動いた
業界人が読む名古屋外食の1週間

2026年8月3日 (月) 週次話題店 編集部

先週から今週にかけ、名古屋の外食で目立った動きは大須に集中した。ドムドムの10年ぶり復活は開店日に約200人の大行列、スガキヤ資本参加という再編の産物だ。築95年の建物を再生した中華ダイニングも同じ週に開いた。話題を追うだけでなく、新店の価格帯・席の回転・予約のしやすさという業界人の目線で今週の3手を読む。

大須で中華とバーガーが同時に動いた——業界人が読む名古屋外食の1週間
Photo: 編集部作成のイメージ図

この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の厳選1,100店超を業界視点で紹介するグルメガイドの一部です。

2026年8月に入った名古屋の外食は、話題の重心がはっきりと大須にあった。今週動いた3軒を、行列や新規性そのものではなく「この店がどう回るか」という業界人の視点で読み解いていく。

① ドムドムハンバーガー大須万松寺通店——復活の裏にある資本の話

先週7月28日、ドムドムハンバーガー大須万松寺通店が開店し、初日に約200人が並んだ。愛知への再出店は約10年ぶりだ。ただ業界人が注目すべきは行列そのものではなく、2026年1月のMBOで名古屋のスガキヤ(スガキコシステムズ)が資本参加し、その一環として閉店したスガキヤ系カフェ跡地に入った点にある。跡地・什器・立地をそのまま引き継げる出店は初期投資を大きく圧縮できる。単品数百円台の低単価業態は回転が命で、家賃と改装費を抑えられる跡地継承はそのまま損益分岐を下げる。復活劇の下には、名古屋ローカルチェーンの再編という構造の話がある。

② Mă(マー)by KIWAMI——サウナ併設という滞在設計

8月1日には、サウナ施設KIWAMI SAUNA大須に併設する形でMă(マー)by KIWAMIがグランドオープンした。築95年の歴史的建造物を再生し、名店経験のシェフが台湾風ルーローバーガーや四川花椒の効いた麻婆、よだれ鶏を出す。中国茶ハイボールなどドリンクも中華に寄せている。ここで効いているのは「ととのった後の一杯」という滞在設計だ。飲食単体で客を呼ぶより、サウナで既に館内にいる客をそのまま食に誘導できるため、集客コストが構造的に低い。滞在時間が長いほど客単価は積み上がる。予算は2,000〜3,000円台を見ておけば十分楽しめる価格帯で、複合業態ならではの強みが読みどころだ。

③ 大判鰻 うな拓 池下店——高騰下の価格戦略

大須から少し離れるが、池下の大判鰻 うな拓 池下店も今週の話題に挙げたい。江南市の本店が好評で名古屋に出した鰻専門店で、名物は一般的なサイズより食べ応えのある「大判鰻」。うなぎの仕入れ値が高止まりする今、あえて大判を打ち出して価格を抑える戦略は、原価率と回転のバランスを相当に詰めていなければ成立しない。うな重で3,000〜5,000円台の相場帯を、量で納得させにいく設計だ。池下駅から徒歩3分、約30席で一部は半個室になっており、接待やデートよりは日常のご褒美・一人のうなぎに向く。

今週のまとめ——大須の熱量をどう使うか

跡地継承のドムドム、サウナ併設の中華、高騰下の大判鰻。三者に共通するのは「話題性の裏で、席と原価と回転をどう設計しているか」という一点だ。行列を見て並ぶかどうかより、平日昼や開店直後など回転の緩む時間を狙えば、どの店も本来の実力を落ち着いて味わえる。予約可否や営業時間は流動的なので、来店前に各店の公式・一次情報を確認してほしい。掲載情報は2026年8月3日時点のものだ。

Inside Perspective — 業界人の目利き

  • 跡地・什器を引き継ぐ出店は初期投資と家賃を圧縮でき、低単価業態ほど損益分岐が下がる(ドムドム)
  • サウナ併設は館内の客をそのまま食へ誘導でき集客コストが低い。滞在時間の長さが客単価を積み上げる(Mă by KIWAMI)
  • うなぎ高騰下で大判・低価格を成立させるには原価率と回転の詰めが必須。行列は開店直後や平日昼を外すと回避しやすい
01

Mă(マー)by KIWAMI

中華 大須

築95年再生・サウナ併設のカジュアル中華。2026年8月1日開業。予算2,000〜3,000円台。

02

ドムドムハンバーガー大須万松寺通店

ハンバーガー 大須

10年ぶりの愛知再出店。スガキヤ跡地・資本参加の再編で復活。開店日は約200人の大行列。

03

大判鰻 うな拓 池下店

うなぎ 池下

食べ応えのある大判鰻を高騰下でも価格を抑えて提供。約30席・一部半個室。うな重3,000〜5,000円台。