今日の1軒
今池の創作うどん15席、カウンターで昼夜どう使うか
長久手で6年続く創作うどん店が、2026年8月1日に名古屋市内へ初出店した。千種区今池、カウンターとテーブルを合わせて約15席。本店の40席から一気に絞った小箱で、昼も夜もほぼ同じメニューを出す。1,480円のうどんという価格帯を、業界人はどう読むか。
この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の厳選1,100店超を業界視点で紹介するグルメガイドの一部です。
2026年8月1日、地下鉄今池駅の8番出口から徒歩7分、幹線から一本入った住宅街に御うどん光史 今池店が開いた。長久手で6年続く創作うどん店の2号店で、名古屋市内では初めての店になる。イタリアン、フレンチ、旅館の厨房を渡ってきた作り手が組み立てる「創作うどん」は、味噌煮込みときしめんが基準線になっている名古屋のうどん観からは、はっきり外れた位置にある。
1,480円のうどんを、どの物差しで測るか
掲げられている価格は、和牛すじ肉卵とじうどん1,480円、生まぐろと生トマトの冷製うどん〜ハーブ&スパイス仕立て〜1,790円、こだわり出汁のかけカツ丼1,390円。うどんの相場だけで見れば強気だが、この店をうどん屋の物差しで測ると読み違える。皿数を絞ったアラカルトの一品料理に近い設計で、コース仕立ての料理を一杯に畳んだものと考えたほうが実態に合う。ドリンクを別会計で足せば、昼で1,500円前後、夜で3,000円台という価格帯に落ち着く。
直近では、うどんの中盛り・大盛りを同価格で選ばせる運用が本店から引き継がれている。麺量で満足度を調整させるのは、原価の重心が麺ではなく具材と出汁にある店の作り方だ。麺で腹を膨らませる店ではなく、一杯の構成そのものに払う店である、という宣言に近い。
40席を15席に絞った意味
本店は総席数40席で座敷も持つ。対して今池店はカウンターとテーブルを合わせて約15席しかない。2号店で席数を3分の1近くまで落とすのは、量を取りにいく出店ではないという判断だ。人員を薄く張れる規模に抑えて、一杯あたりの手間を落とさずに回す——小箱の飲食店が最初に決める設計である。
営業は昼11:00〜14:00(L.O.)、夜18:00〜22:00(L.O.)で、あいだに4時間の中休みが入る。この中休みは休憩ではなく仕込みの時間と読むのが正しい。昼夜でメニューがほぼ共通で、夜だけ酒に合う一品料理が加わる構成も、仕込みを一本化して小人数で回すための組み方だ。
もうひとつ、業界人が真っ先に見るのが決済まわりである。公式Instagramが2026年8月5日に出した案内では、支払いは現金とPayPayのみで、クレジットカードは導入予定とされている。開店直後の店では珍しくないが、使う側としては無視できない条件だ。同じ告知で8月の休みは13日(水)のみと出ており、不定休を都度アナウンスする運用になっている。行く前にアカウントを一度見る、が正解の店だ。
誰と、どの時間に行く店か
結論から言えば、この15席はまず一人客のための席だ。カウンター主体で、一杯で完結するメニューが並び、夜は一品料理で軽く飲める。仕事帰りに一杯だけ、という使い方に無理がない。名古屋の一人飲み・カウンターの店を探している層には、そのまま新しい選択肢になる。
デートにも向く。ただし15席の小箱は席の間隔が詰まるため、長居して込み入った話をする場所ではない。食事を短くまとめて次に移る、という前提なら噛み合う。
一方で、接待には勧めにくい。個室がなく席数も少ないので当日の人数変更に耐えられず、カードが使えない現状は経費処理の面でも障害になる。接待や会食の会場を探しているなら接待向きの店を別に当たったほうが早い。開店直後で予約導線も公式には出ていないため、当面は時間をずらして入る店として付き合うのが現実的だ。昼の11時台と、夜の18時台。この2つの時間帯が、15席の店で待たずに座るための答えになる。
Inside Perspective — 業界人の目利き
- 1,480円のうどんは「うどんの相場」ではなくアラカルト一品の物差しで読む。麺量を同価格で選ばせる運用は、原価の重心が具材と出汁にある店の作り方。
- 本店40席→今池15席。人員を薄く張れる規模に抑え、昼夜メニューをほぼ共通にして仕込みを一本化する小箱の設計。中休み4時間は休憩ではなく仕込み時間。
- 決済は現金とPayPayのみ(カードは導入予定)。一人飲みとデートには噛み合うが、経費処理と人数変更の面で接待には向かない。