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名鉄百貨店で消えたキハチ カフェが栄三越6階に、19時閉店・予約なしの設計を業界人が読む

2026年8月27日 (木) 今日の1軒 編集部

2026年2月28日、名鉄百貨店本店が71年の営業を終えた。同時に、そこに入っていたキハチ カフェも東海地区から姿を消している。その半年後の8月28日、同じブランドが名駅ではなく栄の百貨店6階に戻ってくる。東海地区で唯一の店舗になる1軒を、価格帯・オペ・シーン適性の3点から読む。

名鉄百貨店で消えたキハチ カフェが栄三越6階に、19時閉店・予約なしの設計を業界人が読む
Photo: 提供 株式会社名古屋三越(プレスリリースより)

この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の厳選1,100店超を業界視点で紹介するグルメガイドの一部です。

名駅で閉じた店が、半年後に栄で開く

キハチ カフェは長く名鉄百貨店本店に入っていた。その名鉄百貨店本店が2026年2月28日、名古屋駅前の再開発にともなって71年の歴史を閉じ、館内の飲食テナントは一斉に行き先を探すことになった。キハチ カフェもこのとき東海地区からいったん消えている。

そして2026年8月19日、名古屋三越が発表した秋のリニューアルで、8月28日にキハチ カフェ 名古屋三越が栄三越6階に開くことが明らかになった。東海地区ではここ1軒だけになる。同じ時期に、名鉄百貨店で営業していた和カフェやチョコレートケーキの専門店も栄三越に現れており、直近では「名駅の百貨店にあった店を探すなら栄を見る」という状態になっている。閉店した館のテナントがどこへ流れたかは、地元の消費者にとって一番実用的な情報だが、どのメディアもあまり追いかけない。

価格帯の読み方 — フードとスイーツで二層になっている

公式に出ているメニューを並べると、この店の設計がはっきり見える。フードはモッツァレラチーズと茄子のトマトスパゲッティ1,750円、チキンオーバーライス2,200円、オリジナルハンバーグ2,310円、海老とアボカドのサンド2,400円。いっぽうスイーツはキハチトライフルロール990円、コーヒー730円、カフェラテ840円だ。

つまり「食事で入ると2,000円台、休憩で入ると1,700円前後」の二層になっている。この差が大事で、百貨店のカフェは食事需要だけでは席が埋まらない。買い物の途中で座りたいだけの客を990円+730円で受けられるようにしておくことで、11時台と15時台という飲食店にとって一番弱い時間帯を埋めにいく構造になっている。

オープン記念として8月28日から9月30日まで、人気メニューを組んだセットが2,970円で数量限定で出る。単品で「パスタ+ロール+コーヒー」を頼むと3,470円、「ハンバーグ+ロール+コーヒー」なら4,030円なので、500〜1,000円ほど内側に置いた価格だ。業界の目で見ると、これは値引きというより「休憩で入るつもりだった客をフードまで引き上げる」ための入口価格で、開店1か月の客単価を意図的に上の層に寄せにいっている。

オペの裏側 — 夜を捨て、予約を受けない

営業は10時から19時、ラストオーダーは18時15分。定休日は栄三越に準じる。そして予約は受け付けない

ここが百貨店内飲食の典型で、路面のカフェなら夜に酒を出して客単価を上げにいくところを、この業態は最初から夜を持たない。館が閉まれば人が消えるので、夜の売上を狙う設計自体が成立しないからだ。そのぶん、朝10時から夕方までの9時間に全部を寄せている。

ラストオーダーが閉店の45分前という設定も、そのまま1組あたりの滞在時間を45分前後で見ているという意思表示になる。予約を受けないのは手抜きではなく、館の客足に合わせて席を回すには待ち行列で埋めたほうが精度が高いからで、時間指定の予約が入るとむしろ席が虫食いになる。行くときは「予約できない前提で、混む時間を外す」のが正解だ。土日の12時から14時と、15時前後の休憩ピークは待つと思っておいたほうがいい。

置かれているのが6階という点も見逃せない。デパートは上階に人を引き上げるほど滞在が伸びる構造で、上階のカフェは「休憩させて、もう一周させる」ための装置でもある。買い物の途中で座る客が主役だという前提が、営業時間にも価格にも一貫している。

シーン適性 — 一人の休憩と、買い物の途中に効く

向いているのは栄で買い物をする途中の休憩、そして一人での昼食だ。予約が要らず、990円のケーキと730円のコーヒーで座れて、フードまで頼めば食事にもなる。母娘や友人との買い物の合間にも収まりがいい。

逆に接待とデートには使えない。19時閉店では夜の会食が組めず、予約が取れない以上、相手を待たせる可能性のある席に人を呼ぶこと自体ができない。夜に栄でカウンターを押さえたいなら、この店ではなく夜営業のある業態を当たるべきだ。ここは「昼の栄で、確実に座りたいとき」に効く1軒として覚えておくのが正しい使い方になる。

Inside Perspective — 業界人の目利き

  • フード1,750〜2,400円とスイーツ990円+コーヒー730円の二層構造。百貨店カフェは食事需要だけでは席が埋まらないため、休憩だけの客を1,700円前後で受けられるようにして11時台・15時台の谷を埋めにいっている
  • 10時〜19時・L.O.18時15分・予約不可。館が閉まれば人が消えるので最初から夜を持たない設計で、閉店45分前のL.O.は1組あたりの滞在を45分前後で見ている数字。予約を受けないのは待ち行列のほうが席を回す精度が高いから
  • 接待・デートには使えない(19時閉店・予約不可)。効くのは栄で買い物をする途中の休憩と一人の昼食。名鉄百貨店本店の閉店で東海から消えたブランドが名駅ではなく栄に戻った点も、名駅の館にあった店を探すときの手がかりになる
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キハチ カフェ 名古屋三越

カフェ

2026年8月28日オープン。名古屋栄三越6階、東海地区で唯一のキハチ カフェ。10:00〜19:00(L.O.18:15)・予約不可。フード1,750〜2,400円、キハチトライフルロール990円、コーヒー730円。