今日の1軒

うなぎのしろむら丸の内店の個室利用料10% — 5連休に鰻を囲む前に

2026年9月17日 (木) 今日の1軒 編集部

シラスウナギは豊漁で卸値は前年比24.8%安。それでも専門店のうな重は下がっていない。9月19日から始まる11年ぶりのシルバーウィークと敬老の日に三世代で鰻を囲むなら、丸の内駅から徒歩2分の「うなぎのしろむら 丸の内店」が個室利用料10%・15%と明示している価格設計こそ、業界人が最初に読む一行だ。

うなぎのしろむら丸の内店の個室利用料10% — 5連休に鰻を囲む前に
Photo: 店舗公式写真 / HotPepper

この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の厳選1,100店超を業界視点で紹介するグルメガイドの一部です。

豊漁でも、うな重は下がっていない

まず数字から入る。シラスウナギの取引価格は250万円/kg から130万円/kg へ、48%下落した。卸値も2026年3月時点で前年同月比24.8%安。スーパーの蒲焼きは前年より数百円下がった売場もある。それでも専門店のうな重は、ほとんど下がっていない。

理由は4つに整理できる。池入れから出荷まで6ヶ月〜1年のタイムラグがあること、円安(2026年5月時点で158.2円)、配合飼料が2020年比36%上昇していること、そして卸から店までの4層流通でマージンが下がりにくいこと。2026年9月時点で、稚魚の豊漁が専門店の値札に届くには、まだ時間がかかる。「今年は安いはず」という前提で予算を組むと、会計で足が出る。

うなぎのしろむら 丸の内店(栄キタ錦)の店舗写真
Photo: うなぎのしろむら 泉本店 / Google Maps

4,500円と5,500円に、何が乗るのか

その前提で見ると、うなぎのしろむら 丸の内店の設計は珍しく正直だ。平均予算は4,500円(税込)/ 5,500円(税込)。そして個室について、テーブル個室は飲食代金の10%、特別個室は15%を利用料として申し受けると、あらかじめ明記している。

4人で5,500円のコースを組み、テーブル個室を取れば、料理22,000円+個室利用料2,200円で24,200円。特別個室なら+3,300円で25,300円になる。個室は無料の付帯サービスではなく、席を長時間押さえる対価として価格に入っている。これを書かずに当日の会計で乗せる店も少なくない中、事前に率で開示しているのは見積もりが立つという一点で評価できる。予算を先に決める会食ほど、この一行の価値は大きい。

オペの裏側 — 鰻は「焼き始めてから」が長い

営業は10:30〜15:00(料理L.O.14:00)と17:00〜22:00(料理L.O.21:00)、日曜・祝日の夜は21:00までと1時間短い。9月21日の敬老の日、22日、23日はいずれも祝日扱いなので、夜の部を当てにするなら終い時間が早まる前提で組む。

鰻は注文を受けてから焼く。裂き・串打ち・白焼き・蒸し・タレ焼きの工程があるため、席に着いてから膳が出るまでの時間が、他の和食より構造的に長い。56席・宴会収容30名という箱で連休の昼を回すとなると、焼き場の本数が律速になり、飛び込みは読みづらい。連休のランチは開店10:30の直後か13時以降が体感で楽だ。そして予約・問い合わせの窓口は丸の内店ではなく泉本店(052-971-3122)に集約されている。店の前まで行って電話番号を探すと、その時点で一手遅れる。祝日を挟む週は、遅くとも前々日までに押さえておきたい。

うなぎのしろむら 丸の内店(栄キタ錦)の店舗写真
Photo: うなぎのしろむら 泉本店 / Google Maps

シーン適性 — 三世代の会食に向き、一人飲みには向かない

この店が最も効くのは敬老の日の三世代会食だ。理由は3つ。全面禁煙で小さな子どもと高齢の同席者を同じ卓に置ける。カード可なので、支払いの主導権を静かに握れる(現金のみの老舗で財布を出し合う気まずさが起きない)。そして昼から通しで鰻が食べられるため、夜まで引っ張らずに解散できる。丸の内駅1番出口から徒歩2分という距離も、歩く距離を短くしたい同行者がいるときに効く。

接待にも使える。丸の内は官公庁と士業が厚いエリアで、日曜定休が多い商圏でもある。個室利用料を織り込んだうえで一人あたり7,000円弱の見立てが立つなら、一次会としては十分に成立する。
向かないのは一人飲みだ。料理L.O.21:00・夜は22:00閉店で、鰻を待つ時間に酒を進める設計にはなっていない。二軒目に流れる前提の使い方をするなら、別の業態を選んだほうがいい。

うな重そのものを比べるなら名古屋のうな重、ひつまぶしで探すならひつまぶしの実力店、家族の会食という用途から入るなら顔合わせ・会食の和食をどうぞ。

Inside Perspective — 業界人の目利き

  • 稚魚の豊漁(48%安)と卸値24.8%減は、専門店の値札にはまだ届いていない。池入れ〜出荷のタイムラグ・円安・飼料36%高・4層流通が吸収している
  • 個室利用料を率で事前開示している店は少数派。10%/15%は「席を長時間押さえる対価」で、4人×5,500円なら+2,200〜3,300円が見積もりに乗る
  • 鰻は注文後に焼くため提供が構造的に遅い。56席を連休の昼で回すなら開店直後か13時以降。予約窓口は丸の内店ではなく泉本店に集約されている
01

うなぎのしろむら 丸の内店

和食・うなぎ 丸の内 ★4.5

丸の内駅1番出口から徒歩2分。56席・宴会収容30名、全面禁煙・カード可。ランチ10:30〜15:00(料理L.O.14:00)、ディナー17:00〜22:00(日祝は21:00まで)。平均予算4,500円/5,500円(税込)に加え、テーブル個室は10%・特別個室は15%の個室利用料。予約・問い合わせは泉本店(052-971-3122)へ。