今日の1軒
栄三越9階に「宮きしめん伊兵衛 栄店」10月31日開店|会席3,300円と味噌煮込1,800円を業界人が読む
10月7日、名古屋栄三越が9階レストランフロアの秋の改装を発表した。10月31日に入る2店のうち1店は、熱田神宮発祥・大正12年創業の宮きしめんが、熱田区沢上で営むきしめん会席の業態「伊兵衛」の栄店だ。限定の菫(すみれ)会席は3,300円、海老天入り親子みそ煮込きしめんは1,800円。百貨店の食堂でこの二つの値段をどう読み、昼と夜でどう使い分けるか。
この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の厳選1,100店超を業界視点で紹介するグルメガイドの一部です。
熱田の「会席きしめん」が栄に出る
宮きしめんは大正12年(1923年)創業。熱田神宮を発祥とし、「宮」の名は神宮の宮司から贈られたという(名古屋三越のプレスリリース)。公式サイトに並ぶ店は神宮店・神宮東店など6店で、そのうち「伊兵衛」は熱田区沢上で、きしめんに前菜や天ぷらを合わせた会席を出してきた業態だ。宮きしめんの公式サイトは10月6日付で「宮きしめん伊兵衛 栄店」の10月31日オープンを告知している。
2026年10月7日時点の発表では、同じ9階には東京・梅丘発祥の「すしの美登利」も同日に開く。こちらはJRゲートタワー店に続く名古屋2店目で、カウンター10席・テーブル44席の54席、予約は10月中旬から受けるとグルメプレスが伝えている。伊兵衛の席数と予約の可否は、まだ発表されていない。
価格帯の読み方——差額1,500円で何が付くか
- 菫会席 3,300円(栄店限定):前菜・天ぷら・茶碗蒸しに、きしめんを選び、食後にコーヒーとデザート
- 海老天入り親子みそ煮込きしめん 1,800円:豆味噌100%の赤味噌を土鍋で。海老天・鶏・卵入り
単品の煮込みにも海老天は入っている。会席との差額1,500円で増えるのは、前菜・茶碗蒸し・天ぷら盛り・デザート・コーヒーだ。食後のコーヒーまで席を立たずに済むのが、会席の値段の中身と読める。業界の感覚では、百貨店の食堂は買い物客の滞在が長く、客単価を上げる手段は「品数」と「食後の一杯」になりやすい。会席にコーヒーまで入れてあるのは、その店側の事情とも合っている。
オペの裏側——平日は中休み、土日は通し
営業は平日10:00〜14:30(L.O.14:00)と16:30〜21:00(L.O.20:00)、土日祝は10:00〜21:00(L.O.20:00)の通しだ。平日に2時間の中休みを置くのは、夜の仕込みと人の入れ替えのためと考えるのが自然だろう。百貨店の客足は平日の昼過ぎに落ちるため、通しで開けておくより夜に備える方が合理的になる。
もう一つの変化は時間だ。栄三越は10月31日から9階レストランの営業を21時までに延ばす(それまでは20時)。売場が19時や20時に閉まった後も、9階だけは1時間ほど開いている計算になる。仕事帰りに栄で夕食を取る人には、使える時間が広がる。
シーン適性——接待の昼は会席、一人の昼は煮込み
接待なら会席が向く。値段が3,300円で決まっていて会計で迷わず、コーヒーまで出るので、食後の打ち合わせまで席で済む。名古屋に来た取引先に、熱田の老舗のきしめんと味噌煮込みを一度に見せられるのも強い。
一人の昼なら煮込み1,800円だ。土鍋は時間がかかる料理なので、平日の13時台の混雑が引いた頃が待たずに済む。開店直後の週末は、美登利の開店記念(両日各300個のお米の配布)と重なり、9階全体が混むと見ておきたい。予約の扱いは、開店前に店か栄三越へ確認するのが確実だ。
Inside Perspective — 業界人の目利き
- 菫会席3,300円と単品の味噌煮込1,800円の差額1,500円で付くのは、前菜・茶碗蒸し・天ぷら盛り・デザート・コーヒー。食後の一杯まで席で済むのが会席の中身
- 営業は平日に14:30〜16:30の中休みがあり、土日祝は通し。栄三越は10月31日から9階レストランを21時まで延長するので、平日夜の使い道が増える
- 接待の昼は値段の決まった会席、一人の昼は平日13時台の煮込み。開店直後の週末は同じ9階の「すしの美登利」の開店記念と重なるので、予約の扱いを事前に確かめたい