業界の裏側
知多牛焼肉と馬肉 虹(栄)で一人飲み、ツラミ1,078円の部位の話
東京商工リサーチは10月8日、2026年度上半期の飲食業の倒産が514件と30年で最多になったと発表した。値上げが客離れにつながり、価格転嫁が難しいことが理由に挙がる。では値札を動かさずに質を保つには何が使えるのか。栄4丁目の焼肉店「知多牛焼肉と馬肉 虹」の一番人気、知多牛ツラミのすき焼き風1,078円から、部位の選び方を読む。
この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の約5,000店を、公開情報をもとに紹介するグルメガイドの一部です。
倒産514件、値札を動かしにくい年
東京商工リサーチの集計で、2026年度上半期(4〜9月)の飲食業の倒産は514件と、年度上半期では30年間で最も多かった。同社は、値上げが客離れにつながるため飲食業は価格転嫁が難しいと書いている。仕入れの側では、帝国データバンクの集計で10月に値上げされる飲食料品が3,153品目、うち酒類・飲料が1,399品目ある(中日新聞・9月30日)。2026年10月時点で、値札をそのままにして質を保つには、どの部位を何円の皿にするかが効いてくる。
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業界人が通う焼肉8選 →880円の段に、枝肉の外の部位が並ぶ
「知多牛焼肉と馬肉 虹」のホットペッパーの品書き(2025年10月16日更新)では、知多牛のカルビ・ロース・ツラミ・ミスジが同じ880円に並ぶ。このうちツラミは牛の頬の肉で、精肉になる枝肉に入らないため、食肉の業界ではホルモンに分類される。1頭から1kg前後しか取れない。枝肉とは別に取り引きされる部位を、ロースやカルビと同じ段に混ぜておける構造だ。
一番人気とされる「知多牛ツラミのすき焼き風」は1,078円。焼肉のツラミ880円との差は198円で、同じ部位を味付けと食べ方を替えた別の皿にしている。新しい肉を仕入れずに品書きを1行増やすのは、メニュー入れ替えのいちばん軽い形だ。店の公式Instagramでは、ホルモンの牛ハツを780円で紹介している。
馬と豚の段が、もう一本の柱になる
もうひとつは肉の種類を分けていること。馬肉焼肉のカルビ・赤身・肩ロースも880円、知多豚ロースは748円。牛だけの品書きは牛の相場がすべての皿に響くが、馬と豚の段があれば一つの相場が動いても品書き全体を書き換えずに済む余地がある。上はイチボ1,210円、特上ヒレ2,090円、シャトーブリアン2,563円まであり、客が自分で単価を選べる作りでもある。
一人飲みでの使い方
席は14席で、うちカウンターが6席(ホットペッパーの掲載)。営業は翌4時まで(料理・ドリンクのL.O.は翌3時30分)で、仕事終わりの遅い時間にひとりで入れる焼肉だ。ツラミのすき焼き風1,078円・赤身馬焼肉880円・キムチ429円なら2,387円(ドリンク別)。880円の段から2皿選べば、牛と馬の食べ比べになる。単品の飲み放題(120分)はページに1,500円と1,650円の表記が混ざり、定休日も水曜定休と水曜の営業時間の両方が書かれているので、値段と営業日は予約のときに店に確かめたい。
知っておきたいポイント
- ツラミは枝肉に入らずホルモンに分類される部位。枝肉とは別に取り引きされる肉を、ロースやカルビと同じ880円の段に混ぜられる
- 同じ部位を味付けと食べ方で別の皿にすると、仕入れを増やさずに品書きが1行増える(ツラミ880円→すき焼き風1,078円)
- 牛・馬・豚で同じ値段の段をそろえると、一つの相場が動いても品書き全体を書き換えずに済む余地がある