今日の1軒

栄の韓国料理「サウィ食堂」ナッコプセ2180円を女子会で読み解く

2026年9月22日 (火) 今日の1軒 編集部

2026年7月9日、栄の錦に東海初のナッコプセ専門店が開いた。韓国・釜山発祥のタコとホルモンとエビの旨辛鍋で、看板の一皿は2,180円から。ただしこの値段は2人前からの表示で、ここを読み違えると予算感が丸ごとずれる。34席・11時から23時の通し営業という設計と合わせて、業界人の目で使いどころを整理する。

栄の韓国料理「サウィ食堂」ナッコプセ2180円を女子会で読み解く
Photo: 店舗公式写真 / HotPepper

この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の厳選1,100店超を業界視点で紹介するグルメガイドの一部です。

栄のたての街ビル1F、MIRAI TOWER の眼前にサウィ食堂 名古屋栄店が開いたのが2026年7月9日。ナッコプセは 낙지(タコ)・곱창(ホルモン)・새우(エビ)の頭文字を取った釜山の郷土料理で、韓国で30店舗超を展開するチェーンの東海初出店にあたる。2026年9月時点で名古屋にナッコプセの専門店は他に見当たらず、ジャンルごと初めて名古屋に入ってきた店という位置づけになる。

2,180円は「2人前から」— 価格の着地を先に読む

看板のナッコプセは 2,180円〜。ここで必ず見落とされるのが、この表示が2人前からの合計額だという点だ。1人あたりに割れば約1,090円で、数字だけ見ると驚くほど安い。ところがホットペッパーに登録された平均予算は3,000円、価格帯の区分は3,001〜4,000円に置かれている。

この差の約1,900円が何かというと、ドリンクとサイド、そして締めのポックンパ(炒飯)の積み上げ分である。単品特化の鍋業態は、看板の一皿を安く見せて、周辺で単価を作るのが定石だ。鍋そのものの原価率を高く取っても、卓上で完結する炒飯やドリンクで戻せる構造になっている。「2,180円の店」と思って行くと、会計で必ず驚く。予算を立てるなら、最初から1人3,000円台で見ておくのが正しい。

逆に言えば、鍋を1つと締めだけで止めれば2人で3,000円台前半に収まる。アラカルトを広げず一点突破で使うなら、コストパフォーマンスはかなり高い部類に入る。

34席・通し営業・年中無休が意味すること

席数は34席、営業は11:00〜23:00(料理L.O. 22:00)で年中無休。この通し営業は、専門店だからこそ成立している設計だ。メニュー軸が一本に絞られていると仕込みが一度で済み、昼と夜のあいだのアイドルタイムにも最小人数を張っておける。総合居酒屋が同じ時間を通そうとすると、仕込みの種類が多すぎて人が持たない。

立地も効いている。地下鉄栄駅のセントラルパーク8A・6B出口から徒歩0分、つまり地下から濡れずに入れる。雨の日に強い立地は、それだけで平日の下振れが小さくなる。全面禁煙・カード可という条件も、客層を絞り込む方向に効いている。

一方で、直近の利用者からは「2人がけの席で鍋を頼むとほぼスペースが残らない」という指摘が出ている。34席を確保するためにテーブルのピッチを詰めているということで、これは卓上調理の店では回転と快適さのトレードオフとして必ず出てくる話だ。鍋以外にあれこれ頼むつもりなら、テーブル席の広い時間帯を狙うか、品数を絞る。予約時に人数を正直に伝えておいたほうがいい。

サウィ食堂 名古屋栄店(栄)の店舗写真
Photo: サウィ食堂 名古屋栄店 — きょこ / Google Maps

女子会に向き、一人飲みと接待には向かない

結論から言えば、この店は女子会と、韓国グルメ好きが集まるグループのための店である。理由は構造的だ。看板が2人前スタートの卓上鍋である以上、一人客が主役メニューに辿り着けない。カウンターで軽く一杯という使い方は設計に入っていない。

接待にも向かない。旨辛の鍋を全員でつつく形式は服装と食べ方の自由度を要求するし、目上の相手と初対面で共有する食べ方ではない。席のピッチが詰まっていることも、込み入った話には不利に働く。接待で栄を使うなら別の選択肢を取るべきで、その判断軸は名古屋の接待向き店の選び方にまとめてある。

逆に女子会では、条件がきれいに噛み合う。全面禁煙・カード可・11時から23時まで時間帯を選ばない。卓上で一つの鍋を囲んで締めまで流れる構成は、そのまま会話の時間割になる。実際、開店から2か月あまりの時点で店内は女性客で埋まっているという声が続いている。同じ用途で名古屋の他の候補も見るなら女子会向きの店の特集、韓国料理全体の地図は名古屋の韓国料理ガイドが入口になる。

ナッコプセというジャンル自体は、コリアン・フード・コラムニストが「次に天下を取る韓国料理」と評し、韓国内のフランチャイズの勢いがそのまま日本に波及している段階にある。名古屋はいまその最初の一店を持ったところで、2店目3店目が出てくれば価格も席の作りも変わってくる。今の栄の一店は、そのジャンルの入口として見ておくのがちょうどいい。

Inside Perspective — 業界人の目利き

  • 看板の2,180円は2人前からの合計額。1人あたり約1,090円だが、ドリンクと締めのポックンパで平均予算は3,000円に着地する。単品特化の鍋業態は看板を安く見せて周辺で単価を作る
  • 34席で11:00〜23:00の通し営業・年中無休が成立するのは、メニュー軸が一本で仕込みが一度で済む専門店だから。栄駅セントラルパーク8A出口徒歩0分の地下直結は雨天の下振れを消す
  • 2人前スタートの卓上鍋という構造上、一人飲みと接待には向かない。全面禁煙・カード可・席ピッチの詰まった34席は、女子会とグループ利用に最適化されている
01

サウィ食堂 名古屋栄店

韓国料理 栄 ★3.9

韓国・釜山発祥のナッコプセ(タコ・ホルモン・エビの旨辛鍋)専門店の東海初出店。看板のナッコプセは2,180円〜(2人前から)、平均予算3,000円。34席・11:00〜23:00通し営業・年中無休・全面禁煙・カード可。栄駅セントラルパーク8A・6B出口より徒歩0分。