業界の裏側
名駅の居酒屋『そら豆』ソファ席、デート・女子会で会計が上がる理由
ソファ席に座ると会計が上がる。その正体は席の値段ではなく、座っている時間の長さだ。米コーネル大が1,413件の会計を調べた研究では、壁際の長いソファ席は滞在が最も長いのに、1分あたりの支出は最も低かった。名駅の居酒屋『そら豆 名古屋』のソファ席と個室の予約の決まりを、先週10月24日に丸の内で開いた無人カフェの値付けと並べて読む。
この記事はNAGOYA BITES — 名古屋の約5,000店を、公開情報をもとに紹介するグルメガイドの一部です。
会計を上げているのは、席ではなく座っている時間
ソファ席で会計が高くなったと感じるとき、上がっているのは1回の会計で、1分あたりの支払いではないことが多い。米コーネル大のキムズとロブソンが、210席のレストランの1,413件の会計を調べた2004年の研究では、壁際に長く続くソファ(バンケット)の席は滞在が最も長く、1分あたりの支出は全席で最も低かった。囲われたボックス型のソファ(ブース)は、1分あたりの支出が平均をやや上回った程度だ。座り心地が単価を押し上げるというより、長くいる分だけ杯数が増える。これが会計の正体に近い。
合わせて読む
居酒屋10選 →名駅『そら豆』は、ソファ席を客に選ばせない
名古屋駅から徒歩3分の居酒屋そら豆 名古屋は、総席数150席のうち、4〜7名用のソファ席を10卓持つ。ホットペッパーグルメの席の案内(2025年8月21日更新)では、ソファの円卓と丸テーブルに「お席のご指定は頂けません」とあり、個室は「個室に限りがある為コース予約のみ相談可」。価格帯は3,001〜4,000円、お通しは385円だ。
長く座られやすい席ほど、料金と時間が先に決まるコースの予約と結びつけて、店が配る。そう読める作りだ。たとえば金曜の繁忙時、席だけ予約した組が円卓ソファに3時間座ると、1分あたりの売上は下がり、次の予約も入れにくくなる。コースなら、その回転の分が値段と時間に最初から入っている。
席の時間に値段をつける、名古屋の3つのやり方
時間に直接値段をつけるのが、栄・中日ビルのSHARE LOUNGE 文喫 栄で、60分990円、以降30分ごとに495円(1日最大3,465円)。先週10月24日に丸の内で開いた無人カフェセルフカフェ丸の内店は逆に、ドリンクを1杯買えば時間の制限なく45席を使える。店員を置かないので、長くいられても人件費は増えない。時間無制限にできるのは、この構造があるからだ。名古屋発の喫茶チェーンには、ソファを椅子に替えれば席が増えるのを承知で、回転を追わない作りを選ぶ店もある(noteの店舗分析)。居酒屋のコースは、その間にある「時間と料金を先に決める」やり方だ。
ソファ席で長く話したい日の予約の取り方
①予約の前に、席の指定ができるかを聞く。そら豆のように、ソファの円卓は指定を受けない店もある。②ソファや個室で2時間以上話すつもりなら、席だけでなくコースで相談する。店にとっても席の時間の値段が決まるので、話が通りやすい。③コースの時間(飲み放題の分数)を確かめ、デートや女子会で二軒目に移る時刻を先に決めておく。年末に向けて宴会が増える時期は、席が足りない日ほど、料金と時間が決まった予約から席が埋まりやすい。ソファ席を取りたい日は、席より先に「何時間いるか」を決めるのが近道だ。
知っておきたいポイント
- 会計が上がるのは席ではなく時間。壁際の長いソファ席は滞在が最も長く、1分あたりの支出は最も低い(米コーネル大・1,413会計)
- 名駅『そら豆 名古屋』はソファ円卓の席指定を受けず、個室はコース予約のみ相談可。長く座られる席ほど、料金と時間が先に決まる予約と結びつく
- ソファ席で長く話したい日は、席の指定ができるかを聞き、コースで相談し、コースの時間を先に確かめる